鳥獣戯画展 後期展示
こんにちは、ミルタです。
連続で鳥獣戯画の話題ですみません…
30日の土曜日に、鳥獣戯画展の後期展示へ行って来ました。
平成館の前の池?には、鳥獣戯画の甲巻に出て来る動物たちが遊んでいます。
(こちらは、前回の写真の残りです)
ちなみに、今回の待ち時間はと言うと…
平成館への入館、即ち炎天下の外での待ち時間は、前回の200分表示からかなり短くなってますが、中で甲巻を見るための列は変わらない、と言う表示。
そして、前回はトータルで6時間弱の待ち時間表示は実際には3時間半だったのに対し、今回は3時間40分のところ前回と同じく3時間半かかりました。
ですので、時間表示はかなり正確になって来ているのでは?と思いました。
実は昨年、テレビ東京で放送された美の巨人たちの鳥獣戯画の回を、前回の訪問から帰ってから見ました。
すっかり忘れていた内容で、見てから行けば良かったと後悔…
内容を纏めると
鳥獣戯画の甲巻は、ストーリーが兎はと猿と蛙が中心となって進みます。
兎は溺れる猿をからかっている→兎>猿
猿は蛙を打ち倒している→蛙<猿
蛙が兎をなぎ倒している→兎<蛙
役回りが平等になっていると言うこと。
そして、兎・猿・蛙の大きさは実際同じではないのに、同じ大きさで描かれている事で、作者の動物への眼差しは平等となっています。
そして、現存する鳥獣戯画甲巻は、この平等のまま終わります。
しかし、16世紀に土佐光信が描いたと伝えられている模本では、結末が違っているそうです。
現存する甲巻の最後の場面に続きがあり、蛙の天敵である蛇が登場します。
人間のように振舞っていた蛙たちは本来の姿に戻り、葉陰へ逃げ込んで行きます。
これが甲巻最後の1枚となっているそうです。
美の巨人たちのナレーションは、こんな言葉で番組を締めくくりました。
『作者はユートピアを一瞬で打ち消すような恐ろしい結末でこの物語を終えます。
こんなに平等で平和な世界など実際には存在しない、所詮は夢物語だと言わんばかりに。』
平安時代に描かれたと言われている鳥獣戯画(甲巻)は、鎌倉時代へと移り変わる時代の流れから、平等など存在しないのだと言っている、という解釈だったのです。
なんと面白い!と思ったのは私だけではないのではないでしょうか?
この鳥獣戯画展は、平成館の本展と同じ期間で、本館にて特別展示もされています。
明治時代に描かれた模本が、誰でも無料で見られます。
今回は時間があったので、本館にも足を伸ばして見てみました。
なんとこちらは、写真撮影OKです!
パネルは、原本の写真パネルで、その場面の解説が書かれています。
原本を見なくても、見比べられるようになっています。
原本と比べると、実物と変わらない内容なのですが、線が違うのです。
味がないと言うか、ただ描いているだけの線に見えてしまって、やはり原本は良いなぁと再確認出来ました。
時間があれば、本館の模本も見てみると良いかも知れません。
そして、こちらの模本では蛇の登場場面はなく、16世紀から明治時代の間に、蛇の登場場面がなくなってしまっているようです。
まぁ、それ以外の鳥獣戯画も、作者が描いた順番ではなくなっていたり、抜け落ちたりしている部分がたくさんあるとの事ですので、歴史は勝者によって塗り替えられるのと同じく、鳥獣戯画もその時代に合った(都合の良いように?)省かれ、入れ替えられていても不思議ではありませんが…